フリーランスエンジニアのSES・業務委託サービス会社・企業4選
経済産業省の報告によると、日本国内のIT人材は現在91.9万人に対して、17.1万人が不足していると推計されています。
また、国内人口が減少する一方で、IT需要は拡大していくと見込まれているため、今後ますますIT人材不足が広がっていくと考えられます。経済産業省では、IT市場が高い割合で成長した場合、2030年のIT人材不足数が78.9万人に上ると予測しています。
IT/WEB系企業に勤めるエンジニア採用担当の人事の方も、人材獲得に日々悪戦苦闘しているかと思います。
そんなIT人材が不足する昨今、IT/WEB/ゲーム業界を中心に、人材不足を解決するサービスとして注目を集めているのが、フリーランスエンジニアとのSES・業務委託支援サービスです。
以下で解説していきたいと思います。
- 業務委託契約・SES契約とは?
- フリーランスのSES・業務委託支援サービスとは?
- フリーランスエンジニアのSES・業務委託支援サービスを利用するメリット
- フリーランスエンジニア・デザイナーの紹介・業務委託契約してもらうまでの手順・流れ
- IT/WEB系企業の人事・採用担当が知っておきたい紹介エージェントサービス会社4選
- まとめ
業務委託契約・SES契約とは?
まず、業務委託契約とは、自社の業務を外部の第三者に委託する時に締結する契約のことを指します。業務委託契約には、「請負(うけおい)契約」と「準委任(じゅんいにん)契約」の2種類があります。
請負契約は、依頼主が”成果物”に対して、請負人(仕事を請け負った人)へ対価を支払う契約で、請負人は仕事の完成が必要になります。一方、準委任契約は、依頼主が”作業の処理・稼働時間”に対して、受任者(事務を委任された人)へ対価を支払う契約で、受任者は仕事の完成は必要になりません。
また、SESとは、システム エンジニアリング サービスの略で、一般的にSES契約は準委任契約を指します。
そして、フリーランスエンジニアとのマッチングサービス(SES・業務委託支援サービス)も、ほとんどの場合が準委任契約になります。
フリーランスのSES・業務委託支援サービスとは?
人材不足の課題を抱える企業とフリーランスエンジニアやデザイナーとをマッチングさせるサービスです。
サービスを運営している会社の人材エージェントが、採用担当の人事や開発責任者から、エンジニア・デザイナーの必要人材要件や条件などをヒアリングして、マッチしそうなフリーランスを無料で紹介してくれます。
一般的な料金体系
仕事を依頼したい企業側は、紹介エージェント会社にフリーランスエンジニアを何人紹介してもらって面談しても、通常、費用はかからず、業務委託契約を締結して稼働開始した時点で料金が発生します。
月額の利用料金は、フリーランスエンジニアの報酬とエージェントのマージンの合算金額になります。合算金額の相場としては、平日週5日稼働ベースで65万円/月〜90万円/月くらいです。
契約期間
業務委託契約の契約期間は、1〜3ヶ月更新が多く、もし3ヶ月を基準としているエージェント会社でも、お願いすれば結構単月更新で対応してくれるところが多いです。
フリーランスエンジニアのSES・業務委託支援サービスを利用するメリット
フリーランスの紹介エージェントサービスを利用するメリットは大きく分けて以下の3つがあります。
メリット1:正社員採用のみでは確保できない人数のエンジニアを採用できる
近年、特にIT/WEBエンジニアやWEBデザイナーを中心にフリーランスになる人が年々増加しています。
そのため、フリーランスエンジニアの紹介サービスを利用することで、正社員採用だけでは必要な人数を確保できないIT企業なども人材を確保しやすくなります。
メリット2:フリーランスというパフォーマンスの高いプロフェッショナルなエンジニアを採用できる
フリーランスはスキルを売りにして、仕事を獲得している人達なので、人材派遣などでは採用しにくい、スキルの高いエンジニアやデザイナー人材を採用できます。
メリット3:固定費ではなく、変動費になるため、求人企業側の負担が軽減しやすい
フリーランスとのSES契約は、契約更新期間が1〜3ヶ月と比較的短い期間となっているため、正社員雇用では固定費となってしまいますが、SES契約では変動費としてとらえることができます。そのため、求人企業側としては事業状況に応じた柔軟性が得られるメリットもあります。
フリーランスエンジニア・デザイナーの紹介・業務委託契約してもらうまでの手順・流れ
紹介エージェントからフリーランスを紹介してもらい、SES契約を締結するまでの一般的な流れを書きます。
①紹介エージェントと面談して、必要な人材要件や条件のすり合わせをする。
以下を事前に用意しておくと、面談がスムーズになるでしょう。
- プロジェクト概況(どんなサービスか、体制、新規開発 or 追加開発&保守運用、など)
- フリーランスエンジニア・デザイナーに依頼したい仕事内容
- 開発環境(使用プログラミング言語やフレームワーク、DB、インフラ環境、開発ツールなど)
- 週何日稼働してほしいか
- リモートワーク可否
- 月額の予算感
②エージェントから紹介してもらうフリーランスのスキルシート・職務経歴書・条件を提示してもらう。
③候補となるフリーランスと対面での面談を実施する。
候補者がエンジニアであれば技術が分かるメンバー、候補者がデザイナーであればWEBデザインが分かるメンバーに同席してもらって質問してもらう方が良いでしょう。
また、質問項目はざっくりでも良いので予め用意しておき、面談時に少し深掘りしていく方がスムーズと思います。場合によっては、簡単な技術テスト(10〜30分程度で口頭やホワイトボードを使うなど)を実施しても良いかもしれません。
④紹介エージェントにオファー可否を連絡する。
フリーランスのマッチング業界のスピードは正社員採用以上に早いため、オファー連絡を出すタイミングは、面談当日から2営業日以内が良いでしょう(ベストは面談当日)。
⑤SES契約(業務委託契約:準委任契約)を結ぶ
業務を依頼するフリーランスの稼働条件などの最終的なすり合わせをして、契約を結びます。契約書の雛形・フォーマットなどは自社にない場合は、紹介エージェント会社が雛形を持っているはずですので、それをベースに締結作業を進めます。
⑥稼働開始
IT/WEB系企業の人事・採用担当が知っておきたい紹介エージェントサービス会社4選
以下に採用担当の人事の方を知っておいた方が良いオススメのエージェントサービスを記載しておきます。
①レバテックフリーランス
https://freelance.levtech.jp/contact/recruit/
レバテック株式会社が運営するフリーランスマッチングサービスで、業界最大手になります。登録しているフリーランスも業務システムからWEB/ゲーム系まで幅広く登録しています。
②APPSTARS(アップスターズ)
株式会社モンスター・ラボが運営するサービスで、WEB・アプリ・ゲーム系のフリーランスマッチングに強いそうです。新規サービスらしく、対応の柔軟性があり、ベンチャー企業やスタートアップに好評です。
③geechs job(ギークスジョブ)
フリーランスITエンジニアで即戦力人材の獲得は【geechs job】まで!
ギークス株式会社が運営するエージェントサービスです。自社でもゲーム開発をしていたりゲーム系のフリーランス紹介に強みを持っているようです。比較的歴史もあり、登録者数も比較的多いです。
④PE-BANK(ピーイー・バンク)
株式会社PE-BANKが運営するフリーランスエンジニアの業務委託支援サービスで、業務システムのフリーランスエンジニアの紹介に強い会社です。WEB業界やゲーム業界には強くないですが、エージェントのマージン料金も公開していて、透明性が感じられます。
まとめ
IT人材不足の日本において、企業側もフリーランスとの協業が必須条件となってきていると思いますので、採用担当人事や開発責任者の人達は、一度上記のサービスなどを検討してみてはいかがでしょうか?